残業代を請求したい

裁量労働制は、適用に際して厳しい条件が課せられています。その条件の違反を明らかにできれば、裁量労働制が無効になりますので、会社は労働基準法37条違反に陥り、労働者は過去2年分の残業代を請求できることになります。

1 裁量労働制を無効にする証拠を集める

裁量労働制を「定額働かせ放題」として利用している企業では、そもそも裁量労働制の条件を満たしておらず、無効になるケースがほとんどです。裁量労働制が無効となる条件は、本ホームページの「Q&A」を参照してください。
無効にするための証拠を探しておきましょう。以下のようなものが挙げられます。

・裁量労働制の労使協定:まずは社内にこれがあるかどうか確認しましょう。
・裁量労働制の労使協定の代表者を選んだときの証拠:メールなどが残っているかどうか確認してみましょう。
・就業規則:裁量労働制についてちゃんと書いているか確認しましょう。
・業務内容を証明するもの:裁量労働制の対象業務から外れた業務をしていることを証明するための資料があると良いです。まずは雇用契約書や労働条件通知書。業務内容が明確に書いてある場合があります。毎日の業務内容の種類が多岐にわたる場合は、その日の業務や時間を自分でリスト化しておきましょう。業務日報があると良いです。
・業務時間や遂行についての指示を証明するもの:上司からメールで出勤・退勤時間や残業を指示されたり、定時を守るように言われたりしている場合、さらにはノルマや業務の仕方の指示がある場合は、保存しておきましょう。


2 残業時間を証明する証拠を集める

裁量労働制が無効になれば、会社は単に残業代を払っていない状況になります。
残業時間を証明するために、タイムカードなど勤怠記録がある場合は残しておきましょう。ただし、裁量労働制を導入している企業では、残業代を支払わなくて良いことを理由に、タイムカードを導入せず、勤怠記録を残していないケースも少なくありません。出勤・退勤したときに、写真、メールを送るなどして時間の記録を残しておきましょう。
また、出勤・退勤時間を証明しても、裁量労働制のために、会社は「在社時間に過ぎない」「常に労働時間とは限らない」と主張してくる可能性もあります。パソコンのログが見られるようなら、保存しておきましょう。何時から何時まで、どのような業務をしていたのかがわかる証拠があれば、保存しておきましょう。


3 ユニオンに相談する

いくら証拠を集めても、会社に個人的に残業代を請求するのは難しいことです。そこで、ユニオンに相談してみましょう。ユニオンでは会社との団体交渉ができます。会社は、ユニオンからの団体交渉に誠実に応答する義務があります。
団体交渉以外にも、労働基準監督署の申告や裁判を利用することもできますが、ユニオンならそれらもサポートできます。
証拠を集める段階でも、ユニオンのアドバイスがあった方が新たな証拠が見つかる可能性があるので、裁量労働制について疑問に思ったら、まずはユニオンにご相談ください。